佃 典彦 作/演出 |
上演時間 70分 (休憩なし)
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主人公の あ-ちゃんは 大人(郵便屋さん)からの頼みを断り切れず手伝い、
その結果 家出して身を寄せている オバサン が大切にしてた木の芽を折ってしまう。
魔法を使える オバサン は怒るとビックリするような雷を落とします。
ビクビク怯える あーちゃんと郵便屋さん。
終盤の オバサン のセリフにも出ますが、
『嘘をつくのは仕方ない、人間だから』
嘘をついた事自体を怒っているのではなく
なぜ 正直に伝えてくれなかったのか、
言わなきゃって 分かっていた時点でなぜ言わなかったのか。
オバサンは そのことを 怒っているのです。
とっさに保身のために嘘をついてしまうのは 仕方がない。
でも どこかのタイミングで正直に言わないと、
嘘に嘘を上乗せさせても 自分自身すらも 辛くなっていく。
ましてや 嘘は突き通せるものではありません。
自分の気持ちに正直 に
真っ直ぐに育って欲しい という気持ちを込めて。
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「約束を守らないお父さんなんて大キライ!
妹ばかりかわいがるお母さんも大キライだ!」
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考えた結果、自分が「いらない子」だという結論に達した4年生のアーちゃんは、家出を決意します。
目指すは幼稚園の頃よく遊びに行っていた南の丘に住む、魔女のおばさんの家。
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おばさんの家につくと、新米の郵便やさんが、おばさんと何やらもめごとの最中です。
郵便やさんには、おばさんが魔女だということが理解できないのです。 |
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おばさんにおいしいスープをごちそうになり、しばらくここで暮らすことにしたアーちゃんですが、
本当の気持ちは…
太陽がギラギラ輝く夏のある日、南の丘の大きな切りかぶの前で3人が出会ったところから、
このフシギなおはなしは始まります。
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おばさんは魔女!?
郵便やさんをスープにして?…
でも大丈夫。
ちゃんとまた
切りかぶから生えてきます。
…なにが?…
郵便やさん!!
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南の丘の切りかぶという限られた場所に行き会った3人が、夏休みという限られた時間の中でかかわりあううちに、お互いをどう理解し、お互いにどう変っていくか、人間関係の面白さを徹底的に追及します。
あっと驚くような仕掛けが満載の舞台セットで、子供たちを全く飽きさせません。
普遍的なテーマを扱っており、そこが時代を問わず愛され続けてきた由縁とも思います。
どんなに私たちが 『伝えたい』と思っても 良い内容のお芝居であっても
・・・・・子供たちが飽きてしまい 集中して見てもらえなくては意味がありませんから。
ナンセンスな面白さの根底に人間性への深い愛着を込め、
演劇の可能性を意欲的に求めた、冒険舎代表作です。
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